写真、と

どこかに
たとえ誰かと行ったとしても
人を写すことをしないのは
しないのではなく
ただそういう発想がないからなだけで
それはなぜかといえば
そのくらい
誰かと何かをするということを
してこなかった表れだと
今まで自分が撮ってきた写真を
整理しながら理解する

少し大人になって
人と何かをすることの楽しさを
なんとなく
少しずつ
わかりはじめても
人を写すことをしないのは
恐れであるということも理解する

持てば
知れば
失う
恐れや
痛みが
いつだって
自分にまとわりつく

ひとりであることに
なんの不自然さも違和感もなく
当たり前であったあの頃の潔さと
恐れを知らぬ孤高さが眩しいけれども
だからといって
あの頃の自分に戻れるなら戻りたいかと問うてみれば
考えるまでもなく
答えは「NO」で
なぜになら
それでいいのなら
「生」も「死」もないような感であり
付け加えれば
あの頃の自分は
そんなところにいたわけで



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