吹上奇譚 第二話 どんぶり

最近、「夢」のことについて
なんとなく思いを馳せているときが多くて
「夢」といっても
眠っているときに見ている「夢」じゃなくて
そうじゃないほうの「夢」のほうで
その「夢」ってなんなんだろう
その「夢」がわたしたちに与えていること
及ぼしているものって
なんなんだろうってなっていたときに
本屋で吉本ばななさんの新刊が
出ていることを知って
日向ぼっこしながら
川べりのベンチに座って
読んでいたのだけれども

その本のあとがきに

「地上を生きること
 肉体を持っていること
 どれも厳しく苦しい要素の大きなことばかり。
 だから人はそれぞれの夢をみる。
 そしてことさら夢が必要な不器用な人たちがいる。
 その夢が人生を片すみに追いやるのではなく
 人生にとっての魔法の杖となるような。
 そんな夢を見るための力を
 このおかしな人たちが与えてくれますように」

という文があって

夢でも見続けていないと
生きてこれなかったような自分にとっては
この本は、読んでいると
生きてるといいことあるかもしれない
もうちょっと生きてみようかな
っていう気持ちにさせてくれる。

ばななさんの本は
心折れているときに
ふうっと立ち現れて
日常の中でのちょっとした
こぼれ種のような
自分の心をあったかくさせてくれる
瞬間の大切さを思い出させてくれる。

そういえば
沖縄に行ってから
自分以外の人のことについて
祈ることが日常になっている。

誰にいわれたわけでもないのに
自分以外の誰かのことを
祈れること
祈る余裕があること
祈る相手がいること
それってなんて素敵なことなんだろうって
今日、目が覚めたときにふっと思ったこと思いだす。

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