雨の日の効用
気がつけば、いつの間にか
何もしないこと
何も予定がないことを
ひどく恐れていることに気がつく
一人であること
孤独であること
さみしさやかなしさ
そこから逃げるように
そこを埋めるように
予定をいれていること
その余白の空白がなくなって
わたしが失ったことといえば
想像をすること
忙しさに身を浸していると
なんとなく何かをしている気にさせてくれる
なんとなく何かを積み重ねているようにみえるけれども
正確にいえば何かは積み重なっているのだけれども
その何かが何であるかが大切で
自分がしたいことであったり
こうでありたいという方向のものが
積み重なっているのならば
何の問題もないのだけれども
そうではないのは
自分が一番よくわかっている
わかっているけれども
見ないふりをする術にも長けている
きっと、そんなことを考えなくても
日々を積み重ね
日々を生きているだけでも
とても素晴らしいことなのだけれども
人それぞれ、満足度を得られるものは異なっていて
そこを見つけて満たしていかないと
ずっと何かを探し続けて
一生を終えることになる
それもまた一興の人生だけれども
強制的にぽっかりと時間ができたことで
そんなことを考えさせられる
晴れている日には
なかなかそうはいかない
雨の日の効用
インターネットやスマートフォンは
なんとなく簡単に時間をつぶせて
ひとりの感覚を麻痺させる力があって
それはおそろしい麻薬みたいなもので
気がついたらもう抜き差しならない関係になってしまっていて
空白、退屈、なにもしないことを
わたしたちはどんどんできなくなっていく
なにもすることがなくて
退屈して、暇で
そうするとなんとなくひとつひとつの日常の些事を
丁寧にやっていたり
道ですれ違う人に、ちょっと挨拶してみたりする
そういうことができる機会、きっかけが
どんどんなくなっていっている今
だからこそ
意識的に
そんなことを考えたり
作ったりすることが大切で
そうすることが
社会を豊かにしていく
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