家族のこと
手持ちの駒が少ないし、質量も薄いから
何かを何度も思いだしたりするようなことは
ほとんどない
なのに、たまに、無意識に
浮かびあげられてくる過去がある
思い出深いことでもないにも関わらず
家族との共有の記憶や思い出など
ほとんどないのに
ふいに祖母に声をかけられて
ご飯を食べに行ったこと
聞くことも確認することも
もうできないけれども
祖母はわたしに伝えたいこと
話したいことがあったのかもしれない
もしかしたら、ほぼ言葉を交わすことない孫に
ようやくふりしぼっておこした行動だったのかもしれない
今となっては推測でしか推し進めることのできないことだけれども
このときのことが
このワンシーンだけがたまにフラッシュバックする
いつからか
わたしの家族は空回りしている
それはわたしが生まれる以前の頃からの話
祖父や祖母が生まれ育った環境を遡れば
家族を関係を構築するという環境に
生まれ育っていなかったから
わからないのだろう、きっと
だから、本当は、人一倍に家族というものに
憧れを抱いて、育みたいと思っているのに
やり方がわからなくて
こじれてしまったまま、今に至る
なのだと思う
まあ、唯一うちの家系の救いは
兄がそこから抜け出して、あたたかなる家庭を築き育んでいることだろう
父や母の昔は見えなかったけれども
今は見たくないけれども、見えてくる
弱さや悲しみやどうしようもなさや諦め
それに対して、わたしは救いの手を差し伸べればいいのだろうけれども
そこにこれから時間を費やし、育む、優しさや素直さや情熱が欠けている
時折フラッシュバックする祖母との記憶のように
父や母がこの世からいなくなってから
しておけばよかったと後悔するのだろうか
少しくらいはするだろうな
と感じはするけれども
やはり父や母、家族との関係性を再構築するよりも
別の人と、人たちと関係性を構築していきたい
それがわたしなりの親孝行とも思っている
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